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食肉処理業の資格の取り方完全ガイド|営業許可の手続きと施設基準を解説

食肉処理業の資格の取り方完全ガイド|営業許可の手続きと施設基準を解説 その他

食肉処理業を始めたいと思ったとき、まず迷いやすいのが「資格って何が必要?」「営業許可はどこで取る?」「保健所の手続きや申請書類って難しい?」あたりかなと思います。

さらに、食品衛生責任者の講習会、食品衛生管理者の登録講習、食鳥処理衛生管理者の要件、施設基準(手洗い設備やゾーニング)、冷蔵4度以下・冷凍マイナス15度の温度管理、HACCPに沿った衛生管理、ジビエ処理や国産ジビエ認証制度まで絡んでくると、情報が散らかって見えるんですよね。

この記事では、食肉処理業の資格の取り方を「個人の要件」と「施設の営業許可」に分けて、やることの順番が見えるように整理します。

数字や運用は自治体や年によって変わるので、最後は必ず公式情報と管轄の保健所で確認しつつ、あなたの計画に落とし込める形にしていきます。

記事のポイント

  • 資格と営業許可の違いがわかる
  • 食品衛生責任者など必須要件の最短ルートがわかる
  • 保健所の許可申請と施設基準の要点が整理できる
  • HACCP運用と温度管理の現実的な進め方がつかめる

食肉処理業の資格の取り方と全体像

食肉処理業の資格の取り方と全体像

ここでは、食肉処理業を始めるときに混同しがちな「資格(人)」と「営業許可(施設)」を切り分けて、必要な要件を俯瞰します。

先に全体像を押さえると、ムダな工事や手戻りが減ります。

資格と営業許可の違い

資格と営業許可の違い

最初にハッキリさせたいのは、食肉処理業は「資格だけ」では始められないという点です。

現実には、施設に対する営業許可(保健所)が事業の土台で、資格はその許可要件を満たすための「人の条件」として絡んできます。

ざっくり言うと、こう分けると整理しやすいです。

区分 対象 典型例 つまずきやすい点
資格(人) 個人 食品衛生責任者、食品衛生管理者 名称が似ていて役割が混ざる
営業許可(施設) 店舗・工場 食肉処理業の許可、食肉販売業の許可 設備基準が満たせないと不許可
運用(毎日) 事業全体 HACCPに沿った衛生管理、記録 許可後の運用が追いつかない

また、やりたいことによって必要な許可が変わります。

例えば「枝肉の解体・分割までやる」のか、「仕入れた精肉を小分けして売る」のか、「ハム・ソーセージを作る」のかで、求められる許可・人員要件が変わるんですね。

ここを曖昧にしたまま物件を決めると、後から「その加工はこの許可じゃ難しいかも」となって改装コストが跳ねやすいです。

逆に言うと、最初に“何をやるか”を細かく言語化できれば、許可の当たりをつけやすくなります。

私がよくおすすめするのは、やりたい作業を「切る」「挽く」「内臓を扱う」「加熱する」「燻製する」「惣菜にする」「店内提供する」みたいに動詞で書き出すことです。

動詞で書くと、保健所との相談でも話が早いです。

最初の設計で大事なのは、何を売るかより「どこまで加工するか」を先に決めることです。ここが曖昧だと、許可の種類も施設の作りもズレます。

許可の違いが分かりづらいので、イメージが掴めるように簡易表も置いておきます。

やりたいことの例 関係しやすい許可 追加で出やすい論点
枝肉を大分割や小分割にする 食肉処理業 ゾーニング、器具洗浄、温度管理
仕入れた精肉をパック詰めして販売 食肉販売業 表示、保管温度、交差汚染対策
ハムやソーセージを製造 食肉製品製造 食品衛生管理者、加熱殺菌、工程管理
惣菜も作って一緒に売る 複合型そうざい製造 HACCPの記録負担、作業区分
鶏の処理をやる 食鳥処理の区分 食鳥処理衛生管理者、衛生検査

そしてもう一つ。

事業が大きくなって常時50人以上の労働者を使う規模になると、食品衛生法とは別に労働安全衛生法の論点が出てきます(衛生管理者の選任など)。

法令や運用の最終判断は自治体・保健所の解釈が絡みます。ここでの整理は方針決めの助けとして使い、正確な条件は必ず公式サイトと管轄の保健所で確認してください。

食品衛生責任者の講習会

食品衛生責任者の講習会

食肉処理業に限らず、食品を扱う施設では食品衛生責任者を施設ごとに置くのが基本です。

ここは「最初に押さえる必須要件」になりやすいです。

食品衛生責任者って聞くと、なんか難しい国家資格っぽく感じるかもですが、実態は「施設の衛生管理を見られる人を置いてね」という制度の入口だと捉えると分かりやすいです。

だからこそ、開業準備でバタつく前に、先に取り切っておくのがラクです。

取る方法は大きく2ルート

食品衛生責任者は、だいたい次のどちらかで就任できます。

  • すでに対象の資格を持っていて、申請だけで就任できる
  • 食品衛生責任者養成講習会を受講して取得する

講習会ルートは、1日(おおむね6時間程度+確認テスト)で修了する形式が多いです。

受講料は地域差がありますが1万円前後が目安になりやすいです(あくまで一般的な目安です)。

内容としては、食品衛生の基礎、公衆衛生、食品衛生法の考え方あたりが中心で、「現場で何に気をつけるべきか」を大枠で掴む感じになります。

食肉処理業の場合、温度管理や交差汚染の話がガッツリ絡むので、講習で出てくる基礎の部分が、そのまま現場のルール作りに効いてきます。

例えば「手洗いはいつやるか」みたいな話も、実際は“いつでも”じゃなくて“どのタイミングで必ずやるか”を決めて、従業員全員が同じ動きになることが大事です。

講習は、そのルールの土台を作るための共通言語をくれるイメージですね。

申し込みで詰まりやすいポイント

実務でよくあるのは、スケジュールの都合で「早く取りたいのに満席」パターンです。

講習会は定員制のことが多いので、開業時期が決まっているなら早めに枠を確保したほうが安全です。

もう一つ地味にハマるのが、受講後に「修了証の原本をどこに置いたっけ」問題です。

許可申請のタイミングや、金融機関や取引先に説明するときに提示を求められることがあるので、原本はファイル保管して、写真やPDFも手元に置いておくと安心です。

さらに言うと、食品衛生責任者は“施設ごとに”置くのが前提なので、店舗を増やす計画があるなら、人員計画も早めに見ておくといいです。

「自分が取ったからOK」じゃなく、店舗数やシフトを踏まえて配置を考えるのが現実的です。

受講条件(年齢、本人確認書類、オンライン対応の有無など)は主催団体ごとに差があります。申し込み前に必ず募集要項を確認すると安心です。

食肉処理の技能検定と受験資格

食肉処理の技能検定と受験資格

ここは大事なので最初に言います。

食肉処理業の営業許可を取るために技能検定が必須というわけではありません

ただ、現場での信頼や採用、取引先への説明力を上げたいなら、技能検定(学科+実技で技能を証明する仕組み)は武器になります。

特に、立ち上げ期は「衛生的にやれます」「安定して同じ品質で出せます」を言葉だけで伝えるのが難しいので、第三者的な基準があると話が早いです。

私の感覚だと、技能検定は“許可のため”というより、事業としての説得力を上げるために効きやすいです。

例えば、求人を出すときに「技術を体系立てて学べる環境です」と言いやすくなります。

取引先に対しても「教育と標準化をやっています」と伝えやすくなります。

技能検定は「実務経験」が軸になりやすい

技能検定は職種・等級によって受験資格が違いますが、一般論としては一定期間の実務経験が問われるケースが多いです。

つまり、未経験からいきなり受験というより、現場に入りながら狙うイメージが近いです。

ここでのコツは、ただ働くだけじゃなくて「どの工程をどれくらい経験したか」を自分の言葉で説明できるようにしておくことです。

受験要件の確認で必要になったり、転職や独立の面談で強い材料になったりします。

具体的には、枝肉の分割経験、整形、スライス、ミンチ、内臓処理、器具洗浄、温度管理、異物対策などを、工程単位でメモしておくといいです。

「できる」の中身を分解しておくと、技術が伸びるスピードも上がります。

勉強の方向性は「衛生×作業精度」

食肉系の技能評価で見られやすいのは、単なる包丁さばきだけじゃなく、衛生管理、器具の扱い、部位理解、作業の標準化などです。

HACCPの時代になってからは、記録や手順の整合も含めて「再現性のある作業」が評価されやすいと感じます。

例えば、同じ部位を同じ厚みで切るだけじゃなく、作業前後の手洗い、まな板や包丁の使い分け、作業台の拭き上げ、ドリップの扱い、冷蔵庫の戻し方まで含めて一連の“型”として身につける感じです。

だから、技能を伸ばしたいなら「自分のやり方」を作るより、まずは現場の標準手順を覚えて、それをブレなく再現できるようにするのが近道です。

その上で、歩留まりの改善やスピード改善を狙うのが自然な順番かなと思います。

技能検定の職種名、実施主体、受験資格、実施時期は地域・年度で変わります。受験を考えるなら、都道府県の職業能力開発協会などの最新情報を必ず確認してください。

食品衛生管理者の登録講習

食品衛生管理者の登録講習

ハム・ソーセージなどの食肉製品製造まで事業に入れるなら、食品衛生責任者とは別に食品衛生管理者の論点が出てきます。

名前が似ているので、ここで混ざる人が多いです。

私も相談を受ける中で一番多いのが「責任者は取ったから、もう管理者もOKですよね」みたいな認識違いです。

ここを取り違えると、事業計画の前提が崩れるので要注意です。

食品衛生管理者は、特定の製造業種で“置かなきゃいけない”枠になりやすく、食肉製品はリスク面からその代表格です。

食品衛生責任者との違い

食品衛生責任者が「施設に必ず置く基本の責任者」だとすると、食品衛生管理者は「特定の製造業種で義務になる高度側の要件」という位置づけです。

食肉製品製造のようにリスクが高い工程だと、制度として要求が上がります。

ざっくりの違いを言うなら、責任者は“衛生の基本ルールを回す担当”で、管理者は“高度な危害要因を前提に工程を組む担当”みたいなイメージです。

だから、食肉製品をやるなら、設備投資も人材も一段上の見積もりにしておくのが無難です。

例えば、加熱や冷却の工程が絡むと、温度の基準や記録の取り方が一気にシビアになります。

塩せきや燻煙などの工程は、製品ごとのレシピ管理も必要になります。

このあたりは、作って終わりじゃなく、同じ品質と安全性で出し続ける仕組みが求められるイメージです。

登録講習の現実的なハードル

登録講習での取得は、学歴要件+衛生管理業務の実務経験が組み合わさる形が一般的です。

講習自体も費用・期間が大きく、事業計画に織り込んでおかないと後で詰まります。

ここで大事なのは、取得したい気持ちより「いつまでに必要か」を逆算することです。

なぜなら、物件契約や設備投資は先に進むのに、資格要件が間に合わないと、完成しても営業できないリスクがあるからです。

だから私は、食肉製品を将来的にやりたい人に対しては、最初から二段階で考えるのをすすめます。

まずは食肉処理業や販売の範囲で立ち上げて、現場の経験と売上の基盤を作ってから製造へ拡張するか、最初から製造を含めた設備と人員を揃えて一気に取りに行くかです。

どちらが正解かは資金と人材次第なので、ここはあなたの状況で決めるのがいいかなと思います。

食肉製品製造まで視野に入れるなら、最初から「食肉処理業+食肉製品製造」の二段構えで設計すると、施設計画と人員計画がブレにくいです。

登録講習の受講資格、受講料、スケジュールは変動します。正確な情報は必ず厚生労働省や講習実施団体の公式案内で確認し、必要なら専門家にも相談してください。

食鳥処理衛生管理者の要件

食鳥処理衛生管理者の要件

鶏などの食鳥処理を扱う場合は、家畜の食肉処理と同じ感覚で進めると危ないです。

食鳥は食中毒リスク(カンピロバクターなど)との関係で、別の法律体系で管理され、食鳥処理衛生管理者の配置が論点になります。

ここは「鶏も肉だし同じでしょ」とやると、後から条件が増えてびっくりしがちです。

だから、食鳥をやる可能性があるなら、最初の事前相談の時点で“食鳥の取り扱いも検討している”と伝えておくのが安全です。

施設の区画や導線、洗浄設備の考え方が変わることがあるからです。

要件は「経験+講習」が絡む

講習会の受講資格として、一定の学力要件に加えて「食鳥処理の業務に一定期間従事」といった条件が入ることがあります。

つまり、いきなり机上で取るより、現場経験とセットで計画するのが現実的です。

ここで考え方としては、食鳥処理は“工程が多い”というより、汚染リスクが高い工程が短時間に密集しているイメージです。

内臓摘出のときのリスク、器具の扱い、洗浄消毒、温度管理が一気に来ます。

だから、衛生管理の型ができていない状態で拡張すると、現場が回らなくなりやすいです。

私は、未経験から食鳥も含めてやるなら、最初は「どの工程で何が起きるか」を徹底的に見える化するところから入るのがいいと思っています。

具体的には、作業開始から終了までの手順を紙一枚に落として、手洗いのタイミング、器具の交換、清掃の順番を固定する感じです。

ここが固定できると、人が増えても事故率が下がります。

スケジュールは毎年確認が必須

講習は集合型だけでなく、eラーニングとライブ配信を組み合わせた形式になる年もあります。

ここは年によって運用が変わりやすいので、直近の開催案内を確認してから逆算してください。

また、講習の受講だけでなく、施設側の整備や、場合によっては検査体制の確認など、周辺の条件もセットで動きます。

だから、予定を組むときは「講習を受ける日」だけでなく「営業開始までに必要な準備」を全部並べて、余裕を持って引いておくのがコツです。

「食鳥もやりたい」と思った瞬間に、許可区分・施設区画・人員要件が一気に増えます。まずは管轄の保健所に相談して、対象業種の整理から入るのが安全です。

食肉処理業の資格の取り方と許可手続

食肉処理業の資格の取り方と許可手続

ここでは、保健所での食肉処理業許可申請の流れと、施設基準・温度管理・HACCP運用まで、許可取得後に詰まりやすい実務をまとめます。

ポイントは「工事前に相談」「運用まで含めて設計」です。

保健所で食肉処理業許可申請

保健所で食肉処理業許可申請

許可申請は、書類を出して終わりではありません。

むしろ工事前の事前相談が勝負です。

図面の段階でズレを潰せるかどうかで、コストと開業時期が変わります。

私が見てきた中で一番もったいないのは、工事が終わってから「手洗い器の位置がこの運用だと厳しいかも」と言われて、壁を壊して配管やり直しになるケースです。

これはお金もメンタルも削れます。

だから、事前相談は“面倒なイベント”じゃなくて、“最大の保険”だと思っておくのがいいです。

基本の流れ(ざっくり)

  • 事前相談(図面・設備配置を持参)
  • 営業許可申請の提出(申請書類・添付書類)
  • 施設完成後の実地検査
  • 許可証の交付→掲示→営業開始

申請書類でよく出てくるもの

自治体で多少違いますが、一般的には申請書、施設の平面図・設備配置図、食品衛生責任者の証明、法人なら登記事項証明などが求められます。

オンライン申請に対応している地域もありますが、初回は窓口相談が早いケースもあります。

理由はシンプルで、図面の見方や、必要な添付書類の粒度が自治体ごとに違うからです。

ここは「サイトに書いてある通りにやったのに戻された」みたいなことが起きやすいので、最初に一度、担当者とすり合わせると後がスムーズです。

また、書類だけ整っても、実地検査で運用が見えないと突っ込まれがちです。

例えば、温度記録をどこで取るか、器具洗浄はどのシンクでどう回すか、作業区分はどうするかなどです。

だから私は、申請準備の段階で「HACCPの記録イメージ」まで一緒に作るのをすすめています。

記録用紙がまだ未完成でも、何を記録するかが決まっているだけで、検査の会話がラクになります。

相談時に持っていくと強いもの なぜ強いか
平面図と設備配置図 動線と区画の話が一気に進む
作業の流れメモ 交差汚染の指摘ポイントが見える
温度管理の想定 冷蔵庫の容量と記録の頻度が決まる
洗浄消毒の想定 シンクの数や配置が詰めやすい

許可手数料や更新周期は自治体ごとに異なります。費用はあくまで目安として捉え、必ず自治体の公式案内で確認してください。

施設基準と手洗い・ゾーニング

施設基準と手洗い・ゾーニング

食肉処理業で一番の壁になりやすいのが施設基準です。

ここは「衛生を根性で頑張る」ではなく、構造で交差汚染を起こしにくくする発想が基本になります。

現場あるあるとして、人が忙しいときほどルールは破られやすいです。

だから、忙しくても破りにくいように、設備と動線で“自然に正しい動きになる”状態を作るのが理想です。

ここができると、事故リスクも下がるし、教育コストも下がります。

ゾーニング(区画)が設計の芯

生の肉を扱う以上、汚染源がゼロになることはありません。

だからこそ、汚れている可能性が高いエリアと、仕上げ・包装・保管などのエリアを分けて「交差しない動線」を作ることが重要です。

分かりやすいのは、原料の入口と製品の出口を分ける考え方です。

入口から入ってきたものが、同じ通路を通って出ていくと、それだけで交差の芽が増えます。

もし物件の都合で物理的に分けられない場合でも、時間帯で分ける、作業台や器具を分ける、清掃の順番を固定するなど、運用で補う設計が必要になります。

ここは保健所が一番見るところなので、早めに相談して「どう分けるか」を一緒に詰めるのが近道です。

手洗い設備はケチると詰む

手洗い設備は、後から追加しようとすると配管や動線の都合で難航しやすいです。

手で触れずに操作できる水栓(センサー、足踏み、レバーなど)が求められることもあるので、最初から保健所に要件を確認して設計に入れたほうが安全です。

あと、手洗いは設置するだけじゃなく、使える状態にしておくのが大事です。

石けん、消毒、ペーパータオル、ゴミ箱の位置が悪いと、結局現場が回りません。

“あるけど使われない設備”は一番コスパが悪いので、作業導線の中で自然に立ち寄れる位置に置くのがポイントです。

さらに言うと、手洗いは教育の指標にもなります。

新人が迷わないように、手洗いのタイミングを掲示したり、色分けでゾーンを見える化したりすると、現場の事故率が下がりやすいです。

検査で見られやすいのは「区画」「動線」「手洗い」「清掃しやすさ」です。床の排水勾配や壁材の耐水性など、工事に直結する項目が多いので、図面段階の相談が本当に重要です。

工事に入る前に「この図面で検査に通るか」を確認できると、手戻りが激減します。事前相談はコスト削減の手段です。

冷蔵4度と冷凍マイナス15度

温度管理は、食肉処理の安全性と品質を支えるど真ん中です。

冷蔵・冷凍設備が弱いと、HACCPの管理計画も絵に描いた餅になります。

ここは、設備の性能だけじゃなく、運用のクセで温度が乱れるので、現場の回し方までセットで考えるのがコツです。

「高い冷蔵庫を買ったから安心」ではなく、「温度が乱れない運用を作ったから安心」が正解です。

冷蔵は4度を一つの目安に考える

食肉の保管では、冷蔵庫内の温度が上がると菌の増殖リスクが一気に上がります。

ここは「設定温度」ではなく、庫内の実測で管理する意識が大事です。

例えば、庫内の上段と下段で温度が違うことは普通にあります。

扉付近は開閉の影響を受けやすいです。

詰め込みすぎると冷気が回らなくなります。

こういう“あるある”が積み重なると、想定より温度が上がります。

だから、温度計の置き方や、計測のタイミング、記録の担当者を決めておくとブレが減ります。

私のおすすめは、開店前とピーク後など、温度が変動しやすいタイミングで見ることです。

冷凍はマイナス15度だけで安心しない

冷凍はリスクを下げる力が強い一方で、「凍っているから大丈夫」と油断しやすいところです。

扉の開閉頻度、霜付き、庫内の詰め込みすぎで温度が乱れます。

隔測温度計や日々の記録を用意して、異常が出たときにすぐ気づける仕組みにしておくと安心です。

あと地味に大事なのが、温度計の表示が正しいかという点です。

温度計は壊れていても“それっぽい数字”を出すことがあるので、定期的にチェックする運用を入れると事故が減ります。

ここは難しい話じゃなくて、たまに別の温度計で照合するだけでも効果があります。

記録のイメージが湧きやすいように、よくある記録表の形も置いておきます。

項目 確認タイミング 記録例 異常時の一言ルール
冷蔵庫温度 始業前とピーク後 3.5度 製品移動と原因確認
冷凍庫温度 始業前 -18度 開閉頻度と霜確認
清掃の実施 終業時 完了 未実施なら理由記録
手洗い設備 始業前 石けん補充 不足なら即補充

温度記録は「検査のため」だけじゃなく、トラブル時に自分を守る証拠にもなります。記録があるだけで判断が早くなります。

HACCP手引書とジビエ管理

HACCP手引書とジビエ管理

今は、許可を取って終わりではなく、HACCPに沿った衛生管理で日々の運用が見られる時代です。

難しそうに見えますが、小規模事業者向けに手引書が整備されていて、そこを起点にすると一気に現実的になります。

HACCPをやる上で大事なのは、専門用語を覚えることより、現場で「決めたことを続けられる仕組み」にすることです。

そして続けるためには、記録が面倒すぎないことが重要です。

だから最初は、やれる範囲でいいので、シンプルに作って回しながら改善するのがいいかなと思います。

最初から完璧を目指さない

HACCPは「すべての危害要因を潰す」ではなく、重要なポイントを決めて、基準を作って、監視して、外れたら改善する仕組みです。

最初は、冷蔵庫温度、器具の洗浄消毒、作業前の健康チェックなど、毎日回せる項目から固めるのがコツです。

ここでのポイントは、責任者だけが分かっている状態にしないことです。

現場の全員が、同じチェックを同じ手順でできる状態にするのが大事です。

だから、チェック表は現場の言葉で作るほうが回ります。

例えば「冷蔵庫温度を確認」より「冷蔵庫の表示が4度以下か確認」のほうが迷いません。

異常時の対応も、難しい判断を現場に押し付けないで、最初から一言で決めておくのがいいです。

「基準を超えたら製品を別保管して責任者に連絡」みたいに、判断を分解するイメージです。

HACCPの制度や考え方を一次情報で確認したい場合は、厚生労働省の案内が一番分かりやすいです。

(出典:厚生労働省「HACCP(ハサップ)」)

ジビエは前提が違う

ジビエは搬入時点で個体差や汚染状況が読めません。

だからこそ、搬入エリアの区画、懸垂設備、処理後の徹底洗浄・消毒、器具の使い分けなど、「最初から汚れている前提」で管理を組む必要があります。

ジビエでさらに大事なのは、工程のスピード感です。

放置時間が長いと品質もリスクも悪化しやすいので、搬入から処理、冷却、保管までの流れを止めない設計が必要です。

また、販売先が飲食店の場合でも、誤って生食提供されないように注意喚起の仕組みを作るのが現実的です。

ラベルや納品書で「加熱用」などの扱いを明確にするだけでも、事故の芽を減らせます。

国産ジビエ認証制度のように、衛生管理の取り組み自体がブランド価値になるケースもあるので、ジビエを本気でやるなら、最初から“証明できる管理”を意識すると後で伸びやすいです。

加熱条件や表示、取り扱い基準は事故リスクに直結します。ここは断定で動かず、必ず公式ガイドラインや保健所の指導を確認し、必要なら専門家に相談してください。

食肉処理業の資格の取り方まとめ

食肉処理業の資格の取り方まとめ

食肉処理業の資格の取り方を最短で整理すると、ポイントは3つです。

  • 資格(人)営業許可(施設)を分けて考える
  • 食品衛生責任者など必須要件を先に確定し、保健所の事前相談を最優先する
  • 許可取得後のHACCP運用(温度管理・記録)まで含めて設計する

資格面では、まず食品衛生責任者を押さえ、次に事業内容次第で食品衛生管理者や食鳥処理衛生管理者の要件を検討する流れが現実的です。

技能検定は必須ではないものの、長期的な信用や技術の見える化に効いてきます。

許可面では、施設基準を満たすことが最大のハードルなので、工事に入る前に保健所へ図面を持ち込んで、ズレを潰してから進めるのが鉄板です。

ここまで読んだあなたに、私からのおすすめの進め方を最後にまとめておきます。

まず「どこまで加工するか」を動詞で書き出して、必要な許可の当たりをつけます。

次に、食品衛生責任者の取得予定を立てて、講習の枠を確保します。

同時に、物件を見ながら図面ベースで保健所へ事前相談に行きます。

そこで施設基準の方向性が固まったら、温度管理と洗浄消毒の運用を記録の形まで落としておきます。

この順番だと、あとからの手戻りが少なく、開業準備が一気にラクになります。

最後にもう一度。法律・手数料・講習スケジュールは変わります。正確な情報は公式サイトをご確認ください。迷うところがあれば、管轄の保健所や専門家にご相談ください。

この順番だと、あとからの手戻りが少なく、開業準備が一気にラクになります。

管理人は宅地建物取引士・行政書士・社会保険労務士・中小企業診断士をはじめ10資格以上を保有し、10年にわたり社会保険労務士事務所として活動してきました。

現在は資格取得ノウハウや実務経験をもとにを執筆・監修し、受験生へ最新の学習法とキャリア情報を発信。

自身の体験をもとに“リアルで役立つ資格情報”をお届けします。

【資格取得歴】
2008年2月 簿記2級
2008年10月 販売士2級
2009年12月 宅建士
2010年11月 社会保険労務士
2011年1月 行政書士
2011年3月 FP2級
2011年12月 中小企業診断士
2012年7月 世界遺産検定1級
2013年4月 年金アドバイザー2級
2014年3月 特定社会保険労務士

【実務歴】
2012年10月中小企業診断士登録
2013年4月社会保険労務士開業
以後10年間社会保険労務士として活動し現在はWebサイト運営に専念

監修者
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