ともにそれなりの難易度がある宅建士&行政書士を同時に勉強するというのは、一見無理のある話に思えるかもしれません。
しかし、実際にチャレンジしてみて感じたのはその圧倒的な効率の良さ。
ここでは、管理人の体験から得た学びをできるだけみなさんの役に立つような形で書き連ねてみたいとも思います。
まずは全体像と結論
- 宅建士は初挑戦で一発合格。基礎から応用まで、無理なく身に付きました。
- 行政書士は直前の転勤や、当日始発移動のハードスケジュールが重なり、2点差の不合格。環境整備の重要性を痛感しました。
- 翌年は社労士学習を経て、短期間で行政書士対策を再構築。見事合格を果たしました。
- 共通科目である民法を“幹”にした同時学習が勝因。時間が空いても知識の軸がブレず、復習スピードが格段に上がりました。
- 日常のスキマ時間を活かし、小さな接触を積み重ねることで、知識を自然に定着させることができました。
- 生活リズムを重視し、移動や仕事の波を見越した計画を立てることで、無理なくコンスタントに学習ペースを保ちました。
- 試験本番も準備の一環と捉え、持ち物管理や当日の行動計画を事前に整え、本来の力を発揮できるようにしました。
体感としては、「民法の理解が深いと、他科目が自然につながって見える」。この感覚が勉強のモチベーションを支えました。
【宅建&行政書士】同時進行の設計図

宅建士を主軸に、行政書士と重なる民法を中心に据える学びの設計図です。
細かな手順よりも、学習の“根幹”となる考え方を意識し、生活リズムに自然に溶け込むサイクルで回すイメージ。
平日の「軽く接触」イメージ
- 朝のウォームアップ:目覚めの数分で条文キーワードを声に出し、学びへのスイッチをON。
- 移動時間のサク読み:スマホメモで過去問の選択肢をチェックし、気づきをその場で書き留める。
- ちょっと立ち止まる瞬間:コーヒーブレイクや休憩時間に、当日の疑問や学びのポイントを数行で振り返る。
週末の「深掘り」イメージ
- 宅建士実務シミュレーション:契約や取引の場面を頭の中で再現し、自分の言葉で説明してみる。
- 条文つながりのストーリーマップ:民法の大きな流れ(総則→物権→債権→担保→相続)を図にまとめ、関係性をビジュアルで理解。
- 振り返りノート作成:間違えた問題や判例の要点を1ページに整理し、翌週の学習プランに組み込む。
月次チェック&微調整
- 達成度の見直し:1か月ごとにゴール設定を確認し、到達度をセルフ評価。
- 教材・範囲の最適化:改正情報や新たな参考資料を反映し、効率よくアップデート。
重要なのは、一連の流れを自分流にカスタマイズすること。学びの線を断ち切らず、日々の生活シーンとつなげることで、自然に知識が定着していきます。
直前のつまずきから学んだこと(運も実力のうち)

ちなみに管理人は行政書士試験の直前期に転勤となり、学習時間が激減。
さらに前泊なしでの強行軍移動を選んでしまい、当日の集中力も体力も枯渇。
結果は2点差で不合格。この痛い経験から、以下のポイントを強く意識するようになりました。
- 生活リズムを最優先に考える:仕事の繁忙期やプライベートイベントを含め、カレンダーに“勉強NGデー”を書き込む。余白を持たせた学習計画にしておくことで、急な変化にも焦らず対応。
- 試験当日の行動導線を設計:会場到着〜受験票提示〜休憩〜試験開始までの全プロセスを、余裕を持ってシミュレーション。前泊や移動時間の余裕がパフォーマンスを左右します。
- “最小合格セット”を明確化:直前は苦手分野を広くやるより、確実に点を稼ぐ頻出論点に絞って深掘り。出題傾向を踏まえ、最小限の範囲で最大の効果を狙う。
- メンタルと体調のバランス管理:睡眠・食事・軽いストレッチなど、当日のコンディション調整も学習の一部。前日はカフェインや新しい食べ物を避け、いつものルーティンを維持。
- 情報のアップデート機会を設ける:直前に出た改正情報や最新判例は、小さなメモにまとめておき、試験1週間前に軽く目を通す。
- 小さな“勝利体験”を積む:毎日のチェックリストにクリアした項目をマークし、達成感を感じる習慣を取り入れる。モチベーションの低下を防ぐ工夫です。
これらの運用面での見直しによって、単なる知識詰め込みではなく、学習と生活の両輪を安定させる重要性を実感しました。
なぜ翌年は短期間で仕上がったのか

短期間のブランクがあっても、民法の土台はしっかり残っていました。
細かい条文や判例は薄れることがあっても、全体の枠組み・流れ・因果関係が体に染みついていると、再び「勉強モード」に切り替えた瞬間から記憶がよみがえります。
実際、次の年の再学習では、想定より短い時間で知識の軸を取り戻せたほどでした。
戻るべき“軸”がはっきりしているほど、短期集中でも深く定着させることができる――これを身をもって体感しました。
再学習の進め方のイメージ
- 全体像の再起動
- まずテキストやマインドマップを広げ、民法の大きな流れ(総則→物権→債権→担保→相続)を俯瞰。断片的な知識を全体像に「再接続」することで、学び直すポイントが即座にクリアになります。
- 記憶のシミュレーション
- 過去の設問や学習エピソードを思い出しながら、体に染み込んだ筋道を再確認。声に出して説明することで、頭の中の情報を可視化し、抜け落ちを簡単に発見できました。
- 出題形式ごとの“再訓練”
- 択一では即答力、多肢では思考の切り替え、記述では論理の流れを再構築。各形式に合わせた短い演習時間を設定し、リズムを取り戻します。
- ノートとツールの整理
- 自作のメモ・カード・マインドマップなど、再利用できる学習ツールを見直し。前回作成したノートをアップデートし、取捨選択と再構築を行いました。
- 本番仕様のリハーサル
- 試験当日のスケジュール通りに模擬体験。時間配分や休憩パターンを事前に実践し、小さなズレを調整することで、本番でも落ち着いて対応できる準備を整えました。
- モチベーションの維持
- 1日1テーマ、あるいは1問1記述など、小さな目標を設定してクリアをチェック。達成感のスパイラルを作ることで、学習に対する前向きな気持ちが途切れませんでした。
以上のフェーズを2か月弱で回し、「何を深め、何を省くか」を見極めたことで、限られた時間の中でも効率的に知識を再構築できたのです。
同時学習で意識してよかったこと

- 選択と集中:教材は“相性の合う一本”を決め、迷いを消す。
- 自分の理解度や好みに合った参考書・問題集を選び、手元の道具を統一することで、学習効率が上がります。
- 重なるところから:共通分野を先に伸ばし、効率を底上げ。
- 民法のように両試験で重複する項目から取り組むことで、重複学習の手間を省き、自信をつけられます。
- 言語化の習慣:つまずきは“なぜ”まで言葉にしておく。
- 思考プロセスをノートや音声メモに記録し、自分のつまずきポイントを言語化することで、次回の復習がスムーズに。
- 自分用の道具:要点メモ・雛形・用語集など、持ち運べる最小セットを作る。
- どこでも開ける小さなノートやアプリを活用し、思いついたときにすぐメモできる環境を整えます。
- 薄く長く:短時間でも毎日触れて、学びの線を切らない。
- 1日5分の確認でも継続することで、記憶の定着が飛躍的に向上し、週末の深堀りが楽になります。
- 生活設計まで含める:睡眠・食事・移動を“当日モード”に合わせておく。
- 本番の朝食メニューや移動ルートを事前にシミュレーションし、当日ストレスを減らす工夫を。
- 更新前提:改正・判例・出題傾向の変化には柔らかく対応する。
- 最新情報を定期的にチェックし、自分用のアップデートリストで抜け漏れを防ぎます。
- 仲間と進捗シェア:SNSやグループで学習状況を報告し合う。
- 他者とのコミットメント効果でモチベーションを維持し、疑問が生じたらすぐ相談できるメリットも。
- ゴールの可視化:試験日までのスケジュールや到達目標をカレンダーに書き出す。
- 視覚的な進捗管理で、自分が今どこにいるか、次に何をすべきか常に把握できます。
- リワード設計:小さな達成ごとに自分へのご褒美を設定する。
- 勉強のモチベーションの波を和らげ、次の学習への意欲を維持するきっかけになります。
直前期にやってよかったこと/手放してよかったこと

行政書士試験の直前期には想定外の転勤やスケジュール変更がありましたが、その中でも特に効果を感じた工夫と、逆にやめてよかったことをまとめます。
やってよかった
- 間違えたところだけ集中的に振り返る(正解の再読は最小限)。過去問で外した問題をピックアップし、解説を読み込むだけでなく、自分の言葉で「なぜ間違えたか」を書き出すことで、同じミスを繰り返さない仕組みができました。
- 当日の過ごし方を事前に決める(食事・休憩・ペース配分)。イメージトレーニングとして、会場入り〜休憩タイム〜戻りの動線をシミュレーション。軽いストレッチや深呼吸、昼休みの軽食メニューもあらかじめ計画すると、冷静さを保ちやすくなりました。
- 迷わないように配点と時間を見える化しておく。主要科目ごとの得点配分と1問あたりの目安時間を一枚の図にまとめ、勉強部屋やPCデスクに貼り出して、本番前に目に入る位置に置きました。
- 試験1週間前からミニマム要点カードを作成。最頻出論点や自分の苦手分野をフラッシュカード風にまとめ、移動中やちょっとした待ち時間にサッと確認できるようにしました。
- 軽い体調管理ルーティンを取り入れる。試験一週間前からは、いつもの食事と睡眠リズムを崩さないよう心がけ、カフェインや新しいサプリは避けることにしました。
手放してよかった
- 直前の教材乗り換え(新しい情報に振り回されるだけ)。慣れ親しんだ1~2冊の教材に集中したほうが、安心して知識を使えるようになりました。
- 当日ギリギリ移動(余裕のなさで集中力が削がれる)。前泊や余裕を持った行動計画に切り替えることで、本来の実力を発揮しやすくなります。
- 無理に新しい記憶法や勉強アプリを試すこと。直前期は基本に忠実に、いつもの方法を継続するほうがストレスなく効率的でした。
- 人に合わせた勉強会やライブ講義に参加すること。自分だけのペースを乱さないために、直前期は自宅での個人学習に専念する判断が正解でした。
民法はどれくらい大事?(数字より“効き方”の話)

配点や出題数は年により動きますが、実感としては次の通りです。
- 宅建士では、権利関係が得点の要。ここが堅いと、他分野のブレを吸収できます。実務の場面像(売買・賃貸・契約のトラブルなど)と結びつけると理解が一段深くなります。
- 行政書士では、民法は答案の言語。結論の出し方、理由の組み立て方、具体事実への当てはめ――この“型”が身につくと、他法分野にも波及します。
要するに、宅建士は「正確に当てはめる力」、行政書士は「条文を運用して書く力」。どちらも土台は民法でした。
民法クロス表
| テーマ | 宅建士では | 行政書士では |
|---|---|---|
| 意思表示 | 取引の安全と第三者保護を意識して当てはめ | 条文の趣旨と判例の射程で整理 |
| 代理 | 実務場面の判断軸を押さえる | 効果帰属の理屈を言葉で説明 |
| 解除・危険負担 | 契約トラブルの解決像を描く | 双務契約全体の関係で位置付け |
| 契約不適合 | 旧来との違いをイメージで理解 | 権利行使の前提と流れを文章化 |
| 時効 | 期間と起点の感覚をつかむ | 改正後の体系を事案に落とす |
| 物権変動 | 登記・対抗の“現場感”を持つ | 判例理論の骨格で説明 |
| 担保物権 | よくある担保の組み合わせを想像 | 競合関係を図解イメージで把握 |
| 相続 | 家族関係のイメージと絡めて理解 | 評価や持戻しの考え方を言語化 |
「絵で捉える(宅建士)」「筋道で語る(行政書士)」の往復が記憶のフックになります。
なお民法は他資格にも効く
- FP:相続や担保の素地がそのまま活きる。
- 社労士:契約・損害賠償の一般原則が理解の土台に。
- 中小企業診断士:契約・与信・担保の観点が提案の説得力を支える。
だからこそ、宅建士から始めて民法の幹を太くするのはコスパの良いスタートだと今でも思います。
よくある質問なんかをまとめました

Q1. 同時学習、忙しい社会人でも本当に回る?
A. 共通幹(民法)に注力することで学習の重複を最小化し、1回のインプットで2つの試験範囲を同時にカバーできます。切り替えの手間が減る分、精神的負荷も軽減され、忙しい毎日でも無理なく続けられる学習サイクルが作れます。
Q2. 過去問演習はいつから始めるのが最適?
A. 主要概念の大まかな輪郭が8割ほど掴めた段階で、なるべく早く過去問に触れるのがおすすめ。演習を通して「どこが自分の理解ギャップか」を明確にし、理解→演習→振り返りを短いサイクルで回すことで、知識が定着しやすくなります。
Q3. 暫く勉強を中断すると不安になる……どう対処すべき?
A. 人間の脳は「ストーリーとしての枠組み」を忘れにくい特性があります。まずは全体の地図(マインドマップや章立て)だけをざっと思い出し、そこから詳細を再構築する方法が効率的。限られた時間なら、最重要ポイントのサマリーカードでサッと思い出すクセをつけましょう。
Q4. 記述式がどうしても苦手……練習のコツは?
A. 記述は、**「結論→理由→当てはめ」**の3ステップを意識し、短めの文章を繰り返し書くことが近道です。最初は100字程度でOK。慣れてきたら具体例や判例、数字を取り入れつつ、話の流れが自然かどうかセルフチェックすると、論理力が磨かれます。
Q5. 短い学習時間しか取れない日がある場合は?
A. そんな日は、数分でできるタスクを設定しましょう。例えば「条文キーワードを声に出す」「フラッシュカードを1枚確認する」「過去問の設問だけチェックする」など、小さな接触でも継続が記憶を支えます。
Q6. モチベーション維持の具体策は?
A. 小さなマイルストーンとご褒美を組み合わせると、学習の達成感を持続できます。例:1週間で○テーマ完了したら好きなグルメを楽しむ、模試で自己ベスト更新したらちょっとリッチなカフェへ行くなど、喜び体験を学びにリンクさせてみてください。
Q7. 最新の法律改正や判例情報はどう扱う?
A. 試験直前期ほど大きく変わる可能性は低いですが、公式発表を一度チェックし、**「改正ポイント要約カード」**を作っておくと安心です。あくまでミニマムな取り込みに留め、肝心の学習ペースを乱さないことがポイントです。
Q8. グループ学習やSNS活用はおすすめ?
A. コミュニティの力を使って疑問を解消したり、進捗報告で緊張感を維持できます。ただし、直前期は自分のペースを優先し、スケジュールに合わない学習会は見送る判断も大切です。
どの質問も、抽象的な考え方・小さな工夫を取り入れることで、忙しい中でも試験対策を回しやすくするポイントとして活用してください。
【まとめ】宅建士と行政書士、同時にやってみた話。

- まずは「結論」→「設計図」→「直前期」の順で全体像をつかむ。各セクションが何を伝えたいのかを意識しながら読むと、情報の位置づけがしっかり理解できます。
- 次に自分の生活リズムを見直し、触れる・深める・整えるのサイクルを自分なりに設計。たとえば、朝の隙間時間に要点のみチェックし、昼の移動中にサマリーを音声で再確認し、夜に気づきを簡単にメモする――そんな小さなステップをルーティン化しましょう。
- 勉強だけでなく、試験当日の動線や持ち物準備も同じくシミュレーション。会場までのルートやタイムスケジュールを想定しておくことで、当日の不安を軽減し、本来の実力を発揮しやすくなります。
- 最後に、振り返りの仕組みを整えることを忘れずに。ノートやアプリで学習の進捗や達成度を可視化し、1週間おきに自己評価を行うことで、次のアクションが自然に見えてきます。
※制度や配点は年度ごとに変更される可能性があります。各年度の公式発表を必ずご確認ください。
※この記事も、読者の皆さんからのフィードバックや最新の試験制度に合わせて随時アップデートしていきます。お気軽にコメントやお問い合わせをお寄せいただけると嬉しいです。



