社会保険労務士の開業準備【ホームページ・WEB集客編】

社会保険労務士の開業前にやっておくべきこと

社会保険労務士で独立開業を目指している方が、開業前にやっておくべきことは多くありますが、できるだけ早い段階で取り組み始めるべきことのひとつにホームページ作り及びWEB集客についての勉強があります。

開業までのスケジューリング次第では、合格する前にやっておいていてもいいくらい重要なことかもしれません

その理由としては、以下の通りです。

  • 検索エンジンで上位表示されるまでは数カ月~1年程度の時間がかかる
  • ドメイン(インターネット上の住所のようなもの)が古いホームページほど検索エンジンからホームページの価値が高いとみなされ、検索順位が上がりやすい
  • ホームページの開設、作成、更新の作業は慣れるまでにある程度時間がかかる
  • ホームページ運営やWEB集客の知識を身につけるにはある程度時間がかかる

開業したての社会保険労務士は狙われている

開業したての社会保険労務士は狙われている

社会保険労務士の開業間もない時期のあるあるとして、

「開業後してホームページを公開した後に、初めてかかってきた電話がWEB集客の業者からだった。」

というものがあります。

これらの業者は、開業間もない社会保険労務士を狙って

「当社にお任せ頂ければ〇〇というキーワードで上位表示を狙えます。」

といったような営業を仕掛けてきます。

しかし、この記事を最後まで読んで頂ければわかりますが、このようなWEB集客にお金を払う必要は一切ありません。

ちなみに、開業間もない社会保険労務士が営業の標的になりやすいのかと言えば、残念ながら社会保険労務士に限らず士業全般がWEB集客に関する知識が低いため「カモにしやすい」と思われてしまっているからです。

このような業者に無駄なお金を払わないためにも最低限の知識は勉強しておきましょう。

ホームページを作る上コンテンツ以外で考慮するべきポイント

ホームページを作るにあたって、「どんな内容にするか」というコンテンツの部分より前に
いわば

「サイトの基礎工事部分」

とでもいうべき点をしっかりと検討しておくことが必要となります。
具体的には以下の様な要素です。

  • 初期費用
  • ランニングコスト
  • 公開後のメンテナンス性
  • 将来的なサイトリニューアルなどの際のポータビリティ

これらのポイントをおざなりにすると後で苦労することになります。

なぜならばこれらの要素は一旦ホームページを作り上げてしまうと後から修正するのが不可能、もしくは非常に困難であるからです。

社会保険労務士のホームページで独自ドメインは前提条件

社会保険労務士を含む士業がホームページを作るにあたって、「独自ドメイン」と呼ばれるインターネット上の住所を取得することは必須です。

第一には信用の問題ですし、第二にはドメインの価値は時間とともに上昇していくので集客上の問題もあります。

最も推奨されているのは信用力の問題で「.jp 」ですが、集客面では「.com 」「.biz 」などの一般的に使用されている「トップレベルドメイン」と呼ばれるものであれば問題ありません。

社会保険労務士のホームページにWordPress(ワードプレス)をつかうべき理由

ホームページを作成する方法には大きく分けて以下の3つの方法があります。

① HTMLと呼ばれるホームページを作成するための言語で作成する
② 商用CMS (企業による独自の有料CMS)
③ オープンソースCMS(著作権者が無料で公開しているCMS)

②と③のCMS(コンテンツマネージメントシステム)とは、WEBサイト構築の技術的な知識がなくとも、サイト上のテキストや画像のコンテンツを公開・更新できるシステムの総称です。

①のHTMLサイトは公開後の更新等の作業に非常に手間がかかるため、現在、新たに公開されるホームページの多くは②と③のCMSによるものです。

商用CSMについて

商用CMSは企業が作成した独自のCMSのことです。
社会保険労務士のホームページでも多く採用されていますが、以下の点で管理人としてはおすすめできません。

  • システム使用のための月額費用がかかり続けるために長期的には割高

社会保険労務士のホームページに使われている商用CMSの場合、初期費用の他に月額5000円程度の費用がかかる場合が多いようです。

この場合、年間の維持費は6万円程度となります。

それに対し無料のCMSであれば後述するドメイン代とサーバー代を含めても、詳細は後述しますが数千円程度の維持費です。

  • 将来的なホームページのリニューアルなどを考えた場合、拡張性が無い

最初は「とりあえずホームページがあればいい」という程度でスタートしたとしても、将来的にはデザインや内容の大幅なリニューアルをする必要が出てくるかもしれません。

そのような場合に商用CSMを使用していると、リニューアルではなく「いちから別のホームページを作り直す」ことになり、元々のホームページが獲得していた被リンクなどを捨てることになってしまいます。

  • 一企業によって運営されているシステムであるため、運営会社倒産などのリスクがある

実際にCMSの運営会社が倒産して、ホームページのデータが一切更新できなくなった例などもあります。

ただし、このよう商用CMSもホームページ作成のことを勉強する時間は無いので、とりあえず割高でもいいからホームページがあれば良いという方であれば検討しても良いかと思います。

おすすめはWordPress(ワードプレス)

管理人のおすすめは無料で使用できるCMSによるホームページ作成です。

無料CMSのディファクトスタンダードは「WordPress(ワードプレス)」です。

その結果としてWordPressは

  • 頻繁にアップデートが行われ、機能と使い勝手が向上
  • 無料のものも含めさまざまなテンプレートが存在
  • ほぼ全てのWEBサイト製作業者で対応可能

という状況になっています。

したがって、例えば最初は無料テンプレートでホームページを作成し、ホームページによる集客の効果が確認できた段階でサイトデザイン業者にリニューアルを依頼することなどもやりやすいです。

このようなことから、初めて社会保険労務士が独自ドメインのホームページを作るのであればWordPressの一択といっても過言ではないかと思いますので、ここからはWordPressの使用を前提として記事を書いていきます。

具体的なホームページの開設手順

ドメインの取得

まず最初にやることはドメインの取得です。

お名前.com

初めてドメインを取得するのであれば、初心者でも分かりやすく、自動更新機能もある「お名前.com」がおすすめです。

サーバーの取得

ホームページのデータを格納しておく場所がサーバーです。

サーバーは会社によって性能や費用がさまざまです。

エックスサーバー

性能面ではエックスサーバーがおすすめです。
サーバー自体の安定性やスピードが非常に優れています。(月額900円~)

MixHost

性能と価格のバランスが良く、コストパフォーマンスに優れたサーバーです (月額480円~) 。初心者でも管理画面が分かりやすく、おすすめできます。

ロリポップ

とりあえず独自ドメインでWordPressのホームページをつくりたいけれど、極力お金はかけたくないという場合にはロリポップであれば月額100円~利用できます。

サーバーの性能は上記の2つには劣りますが、管理画面は比較的分かりやすいと思います。

WordPressのインストール

WordPressは無料で使えるシステムなので、費用はかかりません。

サーバーにWordPressをインストールすると初期状態のWordPressのブログが作成されます。

なお、WordPressにはホーム全体のデザイン変更のための「テンプレート」と呼ばれるものが有料、無料含め多数ありますので、「ワードプレス テンプレート」で検索してみてください。

最初は無料のテンプレートで十分ではないかと思います。

管理人も最初は無料のテンプレートでホームページを作成し、徐々に内容を充実させた後に、開業して半年後くらいにデザインだけをプロの業者に依頼しました。

WEB集客について学ぶ

まずは自分が開業する予定の地域にどんな競合がいるかを調査しましょう。

例えば練馬区で開業予定であれば「練馬区 社会保険労務士」と検索して上位のホームページは「練馬区 社会保険労務士」で検索をした人に対して有用な情報を提供していると評価されているホームページということになります。

それらのサイトに共通してあるコンテンツは、少なくとも自分のホームページにも最終的には必要になるコンテンツだということになります。

SEO対策について知る

SEO対策とは特定のキーワードで検索エンジン上に上位表示されるために行う対策のことです。

SEO対策では、まずどのようなキーワードで上位表示をさせたいのかを考えます。

顧問契約を狙うのであれば「練馬区 社会保険労務士」のように、「地名+社会保険労務士」が基本でしょう。

また、特定の業務に絞って「練馬区 社会保険労務士 助成金」や、全国区で仕事を受任できるような業務であれば「障害年金請求 社会保険労務士」など「業務+社会保険労務士」のキーワードを狙う場合もあります。

そして、そのホームページのタイトルや記事に入れていくことで上位表示を狙っていきます。

なお、SEO対策の効果が出るには少なくとも数か月はかかります。

昔はSEO対策会社などにお金を払って外部リンクを獲得する方法がメインでしたが、現在では読む人の役に立つようなコンテンツを書いていけば自然と順位はあがりますので、そのような部分にお金をかける必要は全くありません。

SEO対策を意識して記事を書く場合には

「ひとつの記事につきひとつのキーワードの組み合わせ」

を狙っていくのが基本となります。

狙ったキーワードで初めて検索エンジンに登録された際に、50位~30位以内に入っていれば数カ月かけて1位~10位を狙っていける記事の内容だと考えて下さい。

それ以下の順位や、そもそも検索エンジンに登録されない場合には記事の内容を練り直して作成し直しましょう。

なお、ホームページ開設間もない時期には検索エンジンへ登録されるまでの期間は長くかかりますので、開設から1カ月程度は良い内容の記事を増やすことに集中しましょう。

また、この作業は記事が増えていくにつれ、手作業では必ず不可能になります。

検索順位チェックツールGRC

ほとんどのホームページ運用者が使用している検索順位チェックツールがGRCです。

無料版では検索語数20個まで、パーソナルライセンス(4930円)では検索語数300個までが無期限で使えます。
ビジネスライセンスは検索語数は無制限ですが1年間の利用期限があります。

「ひとつの記事につきひとつのキーワードの組み合わせ」をチェックしていくため、無料版ではなくまずはパーソナルライセンスで始めていき、記事数や運営サイトが増えて300記事を超えそうになった段階でビジネスライセンスに切り替えていくのがおすすめです。

リスティング広告について知る

リスティング広告とは、検索エンジンの検索結果ページに、検索されたキーワードと関連性の高いサイトを有料で上位に表示できる仕組みのことです。

キーワードごとに表示枠のオークションが行われ、入札単価が高いものが「広告」という形で優先的に表示され、1クリック毎に料金が発生するクリック課金型が一般的です。
SEO対策と比較すると即効性はありますが、費用はかかります。

とはいえ社会保険労務士業務のなかでも「助成金」「障害年金請求」などの特定分野での集客では取りくまざるを得ない集客方法となっています。

書籍での情報収集の重要性

SEO対策にしろ、リスティング広告にしろ概要を知るには書籍での情報収集が重要です。

ネット上の情報は玉石混交であり、また古い情報と新しい情報が混在しており、初心者には正しい情報の選別が困難だからです。

なので、なるべく最近出版されたものをまずは数冊読み込みましょう。

書籍で全体像をつかんだ上で、最新情報や細かい管理画面の使い方などの知識をネットで補充するというスタンスが良いと思います。

ホームページの維持費用

この記事にあるような形でホームページを維持するためにかかる年間費用は以下の通りです。

独自ドメイン代 1000円程度
サーバー代(MixHostを使った場合) 480円×12カ月=5760円
検索順位チェックツール(GRCパーソナルライセンスを使った場合) 4930円

計 11690円(月額約974円)

営業からは逃げられない、ならば・・・

社会保険労務士として開業して誰もが悩むのが、営業活動です。

そして、作り込んだホームページとWEB集客の知識は現在社会保険労務士の営業活動には不可欠です。

したがって、これらについての準備は、資格を取ってから開業するまでの期間にできる活動としては非常に優先順位が高いものではないでしょうか。

また、社会保険労務士の主な顧問先である中小・零細企業ではまだまだWEB集客についての取り組みが不十分であるところも沢山あります。

そんなときに自分自身が実践したWEB集客の知識を基にアドバイスをすることができれば社会保険労務士としても大きな付加価値を付けることができます。

このように自分自身の営業活動面でもも、顧客へのサービス提供の面でも役に立つのがWEB集客についての知識です。

是非、この記事を参考に取り組んでみて下さいね。